国家そのものの存在が問われた敗戦から、たった 12 年後。変わる価値観に戸惑いながらも、生きるために必死に働く親たちの、けっして豊かではないが、暖かく、希望に満ちた営みの中から私たちは生まれた。
  そして、日本中が東京オリンピックに沸く昭和 39 年、ハナタレ小僧たちは小学校に入学し、肝心の勉強よりも、鯨の竜田揚げや脱脂粉乳、アポロ 11 号の月面着陸の記憶ばかりが鮮明に残る少年時代を送った。
  「♪こんにちは〜、こんにちは〜、世界の国から…」という脳天気な歌声に押されるように中学校に入学した私たちは、恩師の年齢は忘れてしまっても、大阪万博が 1970 年に開催されたことは忘れない。
  熱き学生運動の終焉、ベトナム和平、ウォーターゲート事件、ロッキード事件。人生で最も繊細で多感な高校生活は、まさに激動の時代でありましたが、わしら田舎の高校生は、焦がれるほどの都会への憧れと、好きな彼女への想いでモヤモヤしているばかりでした。
  「今どきの若い連中は…」いつの時代でも大人たちは口にするが、私たちの世代ほどこの嘆きが似合った世代もないだろう。その世代も、 40 代終盤ともなれば、否応なしに社会の中枢を担うことになる。惑わぬはずの 40 代が、実は、社会においても家庭においても、悩みと戸惑いと後悔の連続であることを誰もが実感している。
  しからば、「オッサンにはなったが大人にはなれない」という揶揄を、前向きに受け止めようではありませんか。まだまだ、青春真っ只中である。

 
  オッス、元気か? もう卒業から 30 年も経っちまったな。
  オレたち伊那北高校 28 回卒業生も、歴代の先輩にならい卒業 30 周年の同窓会を盛大に開きたいと思い、この夏、 10 年前に卒業 20 周年の同窓会を企画したメンバーが集まった。予想どおり最初は、集まっては酒を飲むだけのていたらくでしたが、この同窓会を、旧交を温め、人生の成熟期に向けてさらなる飛躍を決意する楽しい集いにしたいとの思いが徐々にまとまり、地元在住の多くの仲間の総意により「 28 秀麗会」を立ち上げることができました。

ハゲ、デブ、しわ、白髪、街ですれ違っても絶対に気が付かないほど容貌は変わっていても、「♪天竜河畔に咲く桜、薫ケ丘に散る紅葉…」と聞こえてくれば、思わずシバカン体操を始めてしまう君は、間違いなくあの青春時代の共犯者(共有者)です。
  思い出しただけで赤面するほど真剣に生きていたあの頃に戻り、そして、これを機会にさらに友情を深めるために、記念同窓会を開きます。 集まりましょう!

記  
期 日
2006年(平成18年) 10月7日(土)〜8日(日)
会 場
記念式典
: 薫ケ丘会館(伊那北高校同窓会館)
祝宴・宿泊
: 大芝荘(南箕輪村)

【連絡先】 E-mail info@inakita28.com 伊那北高校 田邉裕靖(旧姓、市川)
井上緑(旧姓、河西)